2006年07月28日

〜あの日の記憶〜

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朝、目が覚めると、僕はケータイが光っているのに気がついた。




不思議に思い、開いてみると、画面には文字があった。







7月28日。








僕は、ケータイを見ながら、あぁそっか…、と呟き、机にある写真を見た。





中学の陸上部の仲間たちがそこにはいる。










記憶が、走馬灯のように、駆け巡った。









〜〜あの日の記憶〜〜













ゴールと同時に、倒れこんだ。




息が出来ない。いや,してるはずだけど、足りない。



足も全く動かなかった。腕も、頭も。




係員の人が何か言ってる。先生の声もする。



でも、何を言っているか分からなくて、目も開けられなかった。







そのうち、先生が僕を抱きかかえて、端の日陰まで連れて行った。









僕はしばらく倒れていたが、だんだん息も落ち着いてきて、体も動かせるようになってきた。






でも、それと同時に、一つの事実が浮かんできた。







分かっていた。信じたくない。






我慢できなくて、先生に言った。








『タイム・・・切れませんでしたよね・・・』





『・・・あぁ。』















2004年、6月。通信陸上競技大会。そこで、僕は全国大会への参加資格である、全国標準記録が切れなかった。






1500mでは、あと0,19秒。800mでは、あと1秒ちょっと。






絶対切ってやると臨んだ大会だっただけに、とてもショックだった。






しかも、あと少しで・・・という思いが、悔しさを倍増させていた。









全国大会に行くためには、2つの大会があるのだが、残された大会はあと一つ。夏の大会に全てをかけるしかない。










僕は、その日から、全てをやり直した。







練習は今まで以上に真剣に取り組んだ。




生活面でも、陰徳を積むという言葉を目標とし、落ちているごみがあったら拾い、人の嫌がることも積極的に行なった。




みんながジュースを飲んでいても、僕は我慢をし、練習後も走っていたりした。









全ては全国に行くために・・・。













そしてやってきた夏の大会。








一日目は1500mだった。






予選で決めてやると臨んだが、後半失速。





結局、標準記録には到底及ばないタイムだった。









ここで、僕は先生と相談し、決勝を棄権する事にした。






明日の800mに全てを賭け、その温存のためだ。














そして次の日、7月28日。800m。



標準記録は2分2秒。









朝早くから体を動かし、予選に備えた。





アップを終えて、召集に行く。いつもより大きな声で返事をした。





スタート位置まで行って、流しをやったり、ストレッチをしたりする。







その間、仲間でもあり、ライバルでもある、他校の友達と話をしたりした。



それでも、僕の胸の鼓動は収まりそうになかった。











9時30分。予定より少し遅れて、男子800mが始まった。




僕の組は3組目。1組目、2組目の号砲で、スタート練習をした。








そして、時が来た。








『第3組目の人、レーンに入ってください。』






気合いを入れて、レーンに入る。









いよいよ、スタート。僕はこのときをとても良く覚えている。







それまで、カンカンと照り付けていた太陽が、急に雲によって見えなくなり、一気に涼しくなった。




今になって思うことだが、あれは陸上の神様が降りてきたのではなかっただろうか。







僕は、『切るしかない!』と強く思った。








位置について、と聞こえ、挨拶をして、低くなる。





一瞬の静寂。




と同時に、かん高い音がなった。僕は地面を蹴った。









最初の100mから200mで、セパレートだったのがオープンになる。






300m、そして400m通過。58秒。かなりいいぞ。






でも、ここからツラくなってきた。






500mで、位置取りが激しくなって、600通過。なんとなくアナウンスが聞こえた。1分30秒。




足も腕も、地面に引っ張られているようだった。ツラすぎる。




前に行きたいのに、行けない。






ラスト100m。限界だ。スパートがかけられない。足が上がらなかった。













一瞬、『ダメだ』と思った。












その瞬間、今までの、たくさんの事が思い浮かんだ。






ツラかった練習。部活後にも走った事。


顧問の先生の言葉。陰徳を積む、練習が飯より好きになれ。


走る前にもらったお守り。父、母の事。


そして、なにより、陸上部のみんなの事。










負けてたまるか。全国へ行くんだ!







スパートをかけた。そのあとは何も、考えられなかった。







ゴールが近づいてきた。体を前に倒す。







ゴール。と同時に、『っしゃぁ!』叫んだ。



なぜだろうか。タイムを見たわけでもないのに、確信していた。







先生がトラックの内側にいる。僕が見ると、うなずいた。







拳を振り上げた。嬉しくてたまらなかった。



















本当にあれは特別な日だった。






タイムは2分1秒60で、僕は全国大会に駒を進める事ができた。






結局、全国では予選落ち。それでも、かけがえのない体験が出来たと、今でも思っている。












しばらくそんな事を思い出していた僕は、母の、朝食の準備が出来た、という声で、我に返った。








あの日が、また来ればいいな・・・と思いながら、僕は顔を洗いに行った。








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posted by SKYRUNNER at 20:38| Comment(6) | TrackBack(0) | 伝えたいコト 〜自信作〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
良い話ですね、凄い。
Posted by zeido at 2006年07月28日 21:47
僕も陸上やっていたからその気持ちわかる。
感動して涙でてしまいました;;
Posted by 光 at 2006年07月28日 22:13
中学時代の思い出か...SKYにはかけがえのないものになっているんだね。。。

俺は高校時代の思い出がいいものになるように精一杯がんばるよ♪
Posted by managertaku at 2006年07月28日 22:34
すてきな話ですね。
これからもSKYさんにはこんな想い出が
いくつもできていくでしょう。
この夏もがんばってください。
がんばるって、いいですね。
わたしはこの夏は自分の仕事と
嫁ぎ先の両親のためになにができるのかなと
考えながらがんばるつもりです。
そのぶんランニングはテケトーになりそう・・・
Posted by たこ at 2006年07月29日 08:10
skyrunnerさんのレースを大事にする思いが伝わってきます。レース中に色んな思いがよぎる事ってありますね。

先日の東部地区予選では順位、記録悪くはなかったのでしょうが、内容に不満があるとの事。次回はこれを糧に頑張って下さい。国体県大の後は、新人戦ですね。ちなみに新人県で入賞すれば、来春の学徒県まではシード扱いですか?自分の時はそうでした。来春不測の思わぬ事態もありますので、新人県も狙って下さい。私の場合、学徒東部予選直前でケガしてしまい危なかったのですが、シードのおかげで助かりました。
Posted by エイジ at 2006年07月29日 10:41
>>zeidoさん

ありがとう。オレも、あのときはスゴイと思った。


>>光さん

ありがとうございます。

涙まで流してくれた事が、とても嬉しいです。


>>managertaku

まぁな。あんときは、ホントに特別だった。

なるさ。きっと。


>>たこさん

ありがとうございます。

また、あの日が来るように、頑張ります。

走る事に意義があると思いますよ。
それに、仕事や、親孝行などに精一杯頑張れば、
きっと、ランニングにも精一杯打ち込めると思います。


>>エイジさん

あのときは、ホントに『神様』を感じました。
これは、またいつか話したいと思いますが・・・。

新人は入賞を目標に頑張りたいと思います。

シードはですね・・・調べておきますww
確かあったように思います・・・。
Posted by SKYRUNNER at 2006年07月29日 21:02
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